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混乱しがちな“再一次”、“有点儿”と“一点儿”、“一起”、“从来”、“不但”

“再一次”の誤用

例文

    1. 今年暑假,我想再一次去中国。
    2. 请再一次说。
    1. 今年暑假,我想再去一次中国。
    2. 请再说一次。

分析:日本の学生によく見られる間違いである。“再一次”は書き言葉であり、また単音節動詞を述語動詞にはできない。例文の去”と“说”はどちらも単音節動詞であり、例文ではどちらも話し言葉で用いられている。このような場合、“一次”は動詞の後ろに置かなければならない。

日本の学生が間違えるのは、日本語と中国語の語順が異なるためである。中国語では、主語+述語(動詞)+目的語(名詞その他)となるが、日本語では動詞は通常、文の最後に置かれる。このため日本の学生が翻訳する時にはこの語順を忘れてしまいがちである。例えば、

  • 今年の夏休み、私はもう一度中国へ行きたい。
  • もう一度おっしゃってください。

例文中の”もう一度”は中国語の“再一次”に相当するが、この2つの文を中国語に直訳すると、

  • 今年夏天,我想再一次去中国
  • 请再一次说

となってしまう。しかしこれは中国語として正しくない。翻訳する時には動詞の位置によく注意しなければいけない。

“有点儿”と“一点儿”の違い

“有点儿”と“一点儿”の混同はよく見られる。この2つはよく似ているが異なる。ここでは異なる点について説明する。

“有点儿”の用法

“'有点儿'+形容詞(句)”では、形容詞に“脏”“累”“胖”“丑”“小”などの"良くない"単語が用いられる。

  1. 这件衣服对我来说有点儿小。
  2. 他的女朋友点儿胖。
  3. 这个房间有点儿脏,我们还是出去吧。
  4. 今天的工作有点儿多,我感觉有点儿累了,想休息一下。

“'有点儿'+形容詞(句)”では、述語において主観的評価を表すが、この評価は良くないこと、マイナスなことを表現している。

  1. 汉语有点儿难,只要开始学习,就不要放弃。
  2. 今天有点儿冷。
  3. 你刚才对她说得话有点儿过分了!

“'有点儿'+'不'+形容詞(句)”では、形容詞に“干净”“舒服”“漂亮”“好”などの"良い"単語が用いられる。

  1. 我肚子有点儿不舒服。
  2. 这个房间有点儿不干净。
  3. 他今天有点儿不开心。

“一点儿”の用法

"形容詞+'一点儿'"では形容詞は"良いこと(プラスなこと)"を表す場合も、"良くないこと(マイナスなこと)"を表す場合もある。

  1. 快一点儿,要来不及了。
  2. 慢一点儿,一定要注意安全。
  3. 因为我喜欢这份工作,所以累一点儿也没关系。

"形容詞+'一点儿'"では述語句で標準から少し外れていることや対比・比較を表している。

  1. 妈妈今天做的菜,咸了一点儿。(有点儿咸)
  2. 他的女朋友哪儿都好,就是胖了一点儿。(有点儿胖)
  3. 这件衣服币那件衣服好看一点儿。(“有点儿”不能用在比较句中)

"形容詞+'一点儿'"では命令文(願望文)、疑問文、仮定文でも使うことができる。

  1. 请你慢一点儿,我跟不上你了。
  2. 这件衣服能便宜一点儿吗?
  3. 要是早一点儿就好了,就能赶上火车了。

"動詞+'一点儿'+名詞"。

  1. 喝一点儿水吧。
  2. 吃一点儿饭吧。

“一起”を置く場所の間違い

例文

    1. 我们吃午饭一起。
    2. 大家喝啤酒一起。
    1. 我们一起吃午饭。
    2. 大家一起喝啤酒。

分析:これも日本の学生によく見られる間違いである。副詞"一起"は述語動詞の前にしか置くことができないので、例文では動詞“吃午饭”“喝啤酒”の前に置かなければならない。

日本の学生がこのような間違いを犯すのは、英語の影響を受けているからである。上記2つの例文を英語で表すと、

  • We had lunch together.
  • Everyone drank beer together.

となるため、中国語に直訳したときにそれぞれ、“我们吃午饭一起”“大家喝啤酒一起”となってしまう。

しかしこれは正しくない。中国語には中国語の文法と構造があり、中国語を学ぶときには日本語や英語の影響を受けてはならない。

“从来”の誤用

例文

    1. 爸爸从来喝白酒,不喝啤酒。
    2. 我家从来住在东京。
    3. 我从来在Tokutoku china学习汉语。
    1. 爸爸一向喝白酒,不喝啤酒。
    2. 我家一直住在东京。
    3. 我一直在Tokutoku china学习汉语。

分析:“从来”は過去から現在に至るまで同じ様子であり、変化が生じていないことを表す。また、通常は否定文で用いる。例文はすべて肯定文なので、“从来”を用いることはできず、代わりに“一向”や“一直“を使う。

  1. 他从来不说谎,我相信他说的话。
  2. 他上课从来没迟到过。
  3. 大连从来没像今年这样热过。

“不但”を置く場所の間違い

例文

    1. 我不但会说汉语,而且我姐姐也会说汉语。
    2. 不但汉字难写,而且难记住。
    1. 不但我会说汉语,而且我姐姐也会说汉语。
    2. 汉字不但难写,而且难记住。

分析:中国語では文中、2つの節の主語が同じでない場合には、“不但”は最初の節の先頭に置く。2つの節の主語が同じである場合には、“不但”は最初の節の主語の後ろに置く。この点を覚えておけば“不但”の使い方は簡単である。

  • 節の主語が同じである場合
    1. 姐姐不但会说汉语,还会说韩语。
    2. 明天不但有大风,而且有大雨。
  • 節の主語が同じでない場合
    1. 不但弟弟不会做这道题,而且哥哥也不会做。
    2. 不但你不相信他说的话,我们大家都不相信。
    3. 不但汉语口语成绩好,而且语法的成绩也很好。
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