似ている表現 よく見られる間違い
“低”と“矮”の混同
- 例1
- 誤:我个子高,弟弟比较低。
- 正:我个子高,弟弟比较矮。
- 例2
- 誤:这棵树很低。
- 正:这棵树很矮。
分析:“矮”は身長が低いこと、あるいは高さが高くないことを表します。すなわち、人や物の上から下までの垂直方向の距離が短いことを表します。これに対して、“低”は地面に近いことを表します。すなわち、物と地面との距離が近いことを示します。したがって、用いる対象が異なります。例えば、人の身長や物の高さの場合は“矮”を用いなければいけません。日本の学生は、日本語の影響を受けています。日本語では、“低”と“矮”はどちらも「低い」となります。例えば、
- 身長が低い。
- レベルが低い。
「身長が低い」、「レベルが低い」のいずれも“低い”となり、中国語の“低”と同じ漢字を使いますので、日本の学生はよく“矮”の代わりに“低”を使います。“低”と“矮”の違いを説明します。
“低”と“矮”の違い
-
“矮”は身長が低いこと、高さが高くないことを表します。例えば、
- 他是我的新老师,他的个子比较矮。
- 房间里的那张桌子比较矮。
- 和周围的建筑物相比,我的房子很矮。
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“低”は地面に近いこと、あるいは水平面の高さが高くないことを表します。例えば、
- 飞机飞得很低。
- 很久没有下雨了,所以水位降低了。
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“低”は一般に、水準が平均以下であることを表します。例えば、
- 尽管我已经学习了两年的汉语,可是我的水平还不高,还需要继续努力。
- 以前,女人的社会地位很低。
“广”と“宽”の混同
- 例1
- 誤:这里的马路很广。
- 正:这里的马路很宽。
- 例2
- 誤:学校门前的公路很广。
- 正:学校门前的公路很宽。
分析:“广”は面積や範囲が大きいことを表します。つまり、横方向と縦方向の距離が大きい場合です。一方、“宽”は横方向の距離のみが大きいことを表します。道路や通りの広さは横方向の距離で表しますので、この場合は“宽”を用いるのが正しいです。日本語の場合、“宽”と“广”のどちらも”広い”という意味で使われますので、日本の学生は同じ意味と思い込み、間違える傾向がみられます。
“广”と“宽”の違い
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“广”は体積や面積などが通常よりも大きい場合を示します。例えば、
- 她读了很多书,所以她的知识面很广。
- 大家都知道澳大利亚地广人稀。(注:“地广人稀”は土地の面積が広いのに住んでいる人が少ないことを表します。)
- 这个故事流传很广。(多くの場所で多くの人がこのことを知っていることを表します。範囲が広いことを示しています。)
-
“宽”は横方向の距離が大きいことを表します。
- 哥哥的肩膀很宽。
- 那条河很宽,坐船需要两个小时才能过去。
“寒”と“冷”の混同
- 例1
- 误:今天天气很寒。
- 正:今天天气很冷。
- 例2
- 误:因为没有空调,所以冬天的时候教室里很寒。
- 正:因为没有空调,所以冬天的时候教室里很冷。
分析:中国語の“寒”と“冷”は同義語で、どちらも「寒い」という意味があります。しかし、“寒”は文の中で目的語となることができません。従って、全ての例文で“冷”を用いなければなりません。
“以为”と“认为”の混同
- 例1
- 誤:我认为他是哥哥,结果他是弟弟。
- 正:我以为他是哥哥,结果他是弟弟。
- 例2
- 誤:我们都认为小王是男学生,可是她是女学生。
- 正:我们都以为小王是男学生,可是她是女学生。
- 例3
- 誤:我以为自己这次的汉语考试考得很好,大概能考90分。
- 正:我认为自己这次的汉语考试考得很好,大概能考90分。
分析:“以为”と“认为”はどちらも判断を表します。しかし、“认为”が判断結果が正しいかどうかは重要ではないのに対し、“以为”は判断が違っていたことを表します。例1の“他是哥哥”と例2の“小王是男学生”の判断は間違っていたので、この場合は“以为”を用いて判断が間違っていたこと、結果が予想外であったことを表さなければいけません。例3の“自己这次的汉语考试考得不错”は自分の判断ですが、判断の正しさはまだ分かっていませんので、この場合は“认为”を用いるべきです。
“认为”と“以为”の違い
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“认为”は人や物事に対する判断を表します。この場合の判断は正しいこともあり、間違っていることもあり得ますが、結果は重要ではありません。例えば、
- 我认为这件衣服质量很好。
- 大家都认为他说的是正确的。
- 你可以这样认为,但是我不同意这种说法。
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“以为”も人や物事に対する判断を表しますが、判断が間違っていた場合を表します。例えば、
- 我以为今天是星期六,原来是星期天。
- 我们都以为汉语很简单,可是学习汉语以后我们才发现汉语其实很难。
- 大家都以为王老师二十多岁,但实际上他已经三十岁了。
“左右”と“前后”の混同
- 例1
- 误:春节左右他要和田中结婚。
- 正:春节前后他要和田中结婚。
- 例2
- 误:国庆节左右,他要去日本出差。
- 正:国庆节前后,他要去日本出差。
分析:“左右”は通常は“数词+(量词)”の後ろに置いて概数を表します。時間(時期)を表す名詞の後では用いることはできません。例文の“春节”や“国庆节”は共に時期を表す名詞なので"前后"を使わなければいけません。
“左右”と“前后”はどちらもある時間の少し前あるいは少し後を表し、両者の用法はよく似ています。このため、日本の学生はしばしば“左右”と“前后”を誤用します。続いて、“左右”と“前后”の違いを説明します。
“左右”と“前后”の違い
“左右”は通常、“数词+(量词)”の後ろに置かれます。この言葉が表す概数は年齢、時間、長さ、重さなどを表す場合によく用いられます。例えば、
- 三十(岁)左右
- 一个星期左右
- 一个月左右
- 一百六十(斤)左右
“前后”は時間(時期)を表す名詞の後でよく用いられます。例えば、
- 新年前后
- 春节前后
- 清明节前后
量詞が時刻の“点”や日付の“号”などを伴う場合、数詞+量詞の後ろには“左右”を置くこともできますし、“前后”を置くこともできます。例えば、
- 例1
- 六点左右出发。
- 六点前后出发。
- 例2
- 十号左右有一场大雪。
- 十号前后有一场大雪。