よく使われる言葉を使う際に見られる間違い
“多”の位置の間違い
- 例1
- 誤:我们已经走了一个小时多了,停下来休息休息好吗?
- 正:我们已经走了一个多小时了,停下来休息休息好吗?
- 例2
- 誤:我现在60公斤多,比夏天的时候胖了。
- 正:我现在60多公斤,比夏天的时候胖了。
分析:数詞が“十”以下の数であるとき、“多”は助数詞の後ろに置きます。例1の“一个小时"の中の数詞、“一”は10以下の数字なので、“多”は助数詞“个”の後ろに置きます。日本の学生が中国語を学ぶ時これを間違えるのは、“一个多小时”の日本語が“一時間あまり”であり、これを中国語に直訳すると“一个小时多”となるからです。
数詞が10のときと10の整数倍のときは、“多”は助数詞の前に置く必要があります。例1の“60公斤”の中の60は10の整数倍なので、“公斤”の前に置きます。
次に、概数を表す“多”が文の中で置く位置について説明します。
- 数詞が10以下の数の場合、あるいは10の整数倍とならない場合は、"数詞+助数詞+多"を用います。
- 我已经学习一年多的汉语了。(”一年”の1が10以下)
- 我已经在中国出差九个多月了。
- 这个西瓜很大,大概有五斤多。
- 数詞が10または10の整数倍の場合、”数詞+多+助数詞”を用います。
- 他在中国生活了20多年了。
- 这块手表在中国卖三千多块钱。
- 他现在比以前胖了很多,体重有150多斤。
- 我们班级有30多个学生。
- 文の中に“万,亿”などの10の整数倍の語句(位数)がある場合、"数詞+多+位数+助数詞"となります。
- 二十多万年以前,科技很落后,人们的生活很辛苦。
- 现在地球上有七十多亿人口。
- 我们买了十多万吨的煤炭,为今年的寒冬做准备。
★注意 数詞が10で助数詞が度量衡の単位であるとき、“多”は助数詞の前に置くこともできますし、助数詞の後に置くこともできますが、意味が違ってきます。例えば、
-
- 我今天去超市买了十多斤大米。("十多斤"は10斤より多いが20斤よりも少ないことを表す。)
- 我今天去超市买了十斤多大米。("十斤多"は10斤より多いが11斤よりも少ないことを表す。)
-
- 这根绳子有十多米。("十多米"は10メートルよりも長いが20メートルよりは短いことを表す。)
- 这根绳子有十米多。("十米多"は10メートルよりも長いが11メートルよりは短いことを表す。)
概数を表す“来”の位置の間違い
- 例1
- 誤:我钱包里只有十块来钱。
- 正:我钱包里只有十来块钱。
- 例2
- 誤:那个城市很小,只有十万来人。
- 正:那个城市很小,只有十来万人。
分析:概数を表す“来”と上で説明した“多”の用法は似ていますが、異なる点が一点あります。以下で“来”の使い方を説明します。
“来”の使い方
- “数詞+助数詞+来+形容詞/名詞"のときはこの中の数詞は10以下の数となるか、あるいは10の整数倍ではなく、助数詞が度量衡の単位です。例えば、
- 这个西瓜有三斤来重。
- 他手里的那根绳子有一米来长。
- 这里距离市中心有五里来路。
- “数詞+来+助数詞”のときは、この中の数詞は10か10の整数倍です。例えば、
- 王老师的班级里有三十来名学生。
- 他最近胖有一百二十来斤。
- 这个比那个便宜,二百五十来块钱就能买下来了。
- 他和她认识有两千来天了,他们对彼此都很了解了。
- “数詞+来+位数(亿,万)+助数詞”のときは、この中の数詞は10か10の整数倍です。例えば、
- 二十来万年以前,空气很好,完全没有污染。
- 这片森林十来亿棵树。人体有十来亿个细胞。
- 这十来万吨的货物,船运过来会很麻烦。
“就”の位置の間違い
- 例1
- 誤:一放假,就我去北京旅游。
- 正:一放假,我就去北京旅游。
- 例2
- 誤:时间定下来以后,就大家可以去准备收拾行李了。
- 正:时间定下来以后,大家就可以去准备收拾行李了。
分析:関係副詞“就”は主語の後ろに置かなければなりません。2つの例文中の主語の違いは“我”と“大家”ですが、いずれも“就”は主語の後ろに置くのが正しいです。
中国語の副詞の中には、語気助詞のように主語の前に置くことができるものがあります。例えば以下のようなものです。
- 其实我早就知道那件事,但是他不让我告诉别人。
- 反正这件事已经过去了,你就别再后悔了。
みなさん、中国語を勉強するときには副詞によって用法が異なりますのでよく注意しましょう。
“过”を用いる否定文の間違い
- 例1
- 誤:我没(有)买过三件毛衣。
- 正:我没(有)买过毛衣。
- 例2
- 誤:妈妈没(有)去过两次中国。
- 正:妈妈没(有)去过中国。
分析:“过”を用いる文に数量詞があれば、“没(有)”で直接否定することはできません。例文の中で、“三件”と“两次”はどちらも数量詞ですが、このような場合に否定文にするには文中の数量詞を取り除く必要があります。
“过”を用いる文の否定文
- “動詞+过+(名詞)”の否定は動詞の前に直接“没(有)”を置きます。例えば、
- 上课的时候我们学过这个词。→上课的时候我们没(有)学过这个词。
- 她25岁,结过婚。→她25岁,没(有)结过婚。
- “動詞+过+数量詞+(名詞)”の否定は動詞の前に“没(有)”を置きますが、数量詞は削除します。例えば、
- 我吃过一次这家的寿司。→我没(有)吃过这家的寿司。
- 哥哥在图书馆借过两本小说。→哥哥没(有)在图书馆借过小说。
- “動詞+过+一+助数詞+(名詞)”の否定も動詞の的否定也可以在动词前に直接“没(有)”を加えますが、“一”は強調の為に置かれます。すなわち、過去には生じなかったことを強調する為に置かれます。例えば、
- 老王工作十年了,请过一次假。
- 老王工作十年了,没(有)请过一次假。(王さんは仕事熱心で一度も休みを取らなかったことを強調しています。)
- 哥哥和嫂子结婚以前见过一次面。
- 哥哥和嫂子结婚以前没(有)见过一次面。(兄と兄嫁は一度も会ったことがないまま結婚したことを強調しています。)